「脳卒中後の手足のつっぱりが強くて動かしにくい」 「パーキンソン病で体がこわばって、うまく動けない」 「リハビリの前後で筋緊張が強くなり、介助が難しい」
このような神経疾患に伴う筋緊張・こわばり・拘縮に悩む方にとって、 鍼灸は痛みなく受けられるやさしい選択肢の一つです。
この記事では、筋緊張の原因と鍼灸によるケアの考え方、実際の訪問対応の特徴を詳しく解説します。
筋緊張とは?(脳神経疾患との関係)
筋緊張とは、筋肉が過度に収縮し、リラックスできずにこわばった状態を指します。
脳・神経系の疾患による筋緊張は、特に以下のような背景から生じます:
- 脳や神経の疾患(脳卒中後遺症、パーキンソン病、脳性まひなど)
- 長期臥床・廃用症候群
- 慢性疲労・ストレス・自律神経の乱れ
- 関節の不動や長時間の緊張姿勢
これにより、関節の可動域が制限され、リハビリや介助の際の動作が困難になるなど、 日常生活や介助動作に支障をきたすことがあります。
鍼灸によるアプローチの特徴
1. 筋肉の緊張をやわらげる
細く柔らかい鍼で、過緊張を起こしている筋肉にアプローチすることで、 神経と筋肉のつながりを一時的にリセットし、柔軟性を引き出します。
2. 自律神経を整える
ストレスや興奮による交感神経優位の状態を、副交感神経優位に誘導することで、 **全身のリラックス反応(筋のゆるみ・血流改善)**が得られやすくなります。
3. 拘縮予防・可動域の維持
関節周囲の筋緊張を緩めることで、動かしやすくなる状態をつくり、関節の拘縮予防やリハビリ前後の動作改善にもつながります。
訪問鍼灸で対応できるケース
- 脳卒中後の片麻痺による筋緊張(上肢・下肢)
- パーキンソン病による筋固縮・すくみ足
- 寝たきりや車椅子生活による筋拘縮の予防
- 慢性疼痛と筋緊張の複合的な悩み(肩・腰・背中など)
- 緊張が強くリハビリで伸ばしにくい方
施術は、ご本人の状態に合わせた体勢(仰臥位・側臥位・車椅子上)で実施できます。
実際の施術例
事例①:70代女性(脳梗塞後遺症)
右上肢の筋緊張が強く、肘の伸展困難。 → 上腕・前腕の緊張を鍼で緩和し、数回の施術で着替え・清拭時の介助がしやすくなる。
事例②:60代男性(パーキンソン病)
背中のこわばり・すくみ足・夜間のこむら返り。 → 背部とふくらはぎ中心に施術し、歩行時の不安定感と夜間症状が軽減。
鍼灸を受けてみたい方へ
訪問鍼灸十番堂では、港区・渋谷区・品川区・目黒区など東京都内を中心に、 ご自宅で筋緊張のケアを希望される方への訪問施術を行っています。
- 寝たきりの方や移動困難な方も対応
- 保険適用(医師の同意書取得サポートあり)
- ご家族と一緒に相談しながら施術計画を立てます
まとめ
筋緊張によるつっぱりやこわばりは、単なる筋肉の問題ではなく、神経やストレス、生活背景などさまざまな要因が絡んでいます。
鍼灸は、それらのバランスをやさしく整える方法として、多くの方に役立っています。
「病気があるから仕方ない」とあきらめる前に、 今できるケアのひとつとして、鍼灸を選択肢に入れてみてください。