「歩き出そうとした瞬間、足が床に張りついたように動かなくなる」 「狭い場所や方向転換でピタッと止まってしまう」

これは、パーキンソン病に特有の「フリーズ現象(すくみ足)」と呼ばれる症状です。

転倒リスクが高まり、日常生活の自立度にも大きな影響を及ぼします。 この記事では、フリーズ現象の特徴と、その症状を緩和するために鍼灸がどのように役立つかを、訪問施術の視点から詳しく解説します。


フリーズ現象(すくみ足)とは?

フリーズ現象とは、歩き始めや方向転換時など、動作の切り替えに際して急に足が出なくなる運動障害です。

  • 足が地面に貼りついたように感じる
  • 歩幅が極端に小さくなる
  • 突然ピタッと止まり、再び動き出すまで数秒〜数十秒かかる
  • 扉の前、エレベーター、トイレの前などで起きやすい

これは運動プログラムの障害や、環境・緊張・認知負荷などの影響で生じるとされ、 薬が効きにくいタイミング(wearing-off)にも起きやすいことが知られています。


なぜ危険なのか?

  • 転倒につながりやすく、骨折や入院のリスクがある
  • 急いでいるときや狭い場所など、危険な場面で起きやすい
  • 本人の「意識は前に進みたいが、身体が動かない」というストレスが大きい

そのため、薬物治療に加えて非薬物的な工夫(リハビリ・生活調整・鍼灸)を組み合わせて対処することが推奨されます。


鍼灸でできること

1. 下肢・体幹の筋緊張を緩める

すくみ足が起きる方の多くに、ふくらはぎ〜足首・膝・骨盤周囲の筋緊張が見られます。

鍼灸では、

  • 下肢後面(ふくらはぎ、ハムストリング)
  • 股関節・仙腸関節周囲
  • 背部・体幹の姿勢筋 などへ適切な刺激を加えることで、筋の柔軟性と反応性を高める施術を行います。

2. 姿勢保持・バランスへの間接的支援

体幹のこわばりや姿勢の崩れがフリーズの引き金になることもあります。 そのため、腰背部や肩甲帯まわりの筋緊張を調整し、姿勢保持力を高める施術も併用します。

3. 自律神経を整え、緊張や焦りをやわらげる

「すくまないように」と意識するとかえって緊張し、悪化するケースもあります。 呼吸・循環・睡眠などを含めた全身的な緊張緩和を促すことも鍼灸の強みです。


訪問鍼灸の特徴と工夫

  • 狭い廊下や生活動線など、実際にフリーズが起こりやすい場所を確認しながら施術できる
  • 通院での緊張・疲労がなく、リラックスした環境で受けられる
  • ご家族に向けた介助時のアドバイス(声かけ・タイミング)も行える

実際の症例

症例:70代男性(パーキンソン病・要介護2)

  • 症状:玄関・トイレ前でのすくみ足、前傾姿勢、夜間のこむら返り
  • 対応:週2回の訪問施術。ふくらはぎ・仙骨まわり・背部の緊張を緩める施術+生活動線の観察と助言
  • 結果:歩行の出だしがスムーズになり、「トイレへの移動が怖くなくなった」とご本人談。

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訪問鍼灸十番堂では、港区・渋谷区・目黒区・品川区などを中心に、 パーキンソン病に伴うフリーズ現象へのケアや予防的アプローチに対応しています。

  • 国家資格者による訪問施術
  • 保険適用可能(医師の同意書取得サポートあり)
  • 初回相談・体験対応も可能(エリア内)

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まとめ

フリーズ現象は、転倒の危険や自立度の低下を招く深刻な症状です。

しかし、適切なアプローチによって「怖さが減った」「動き出しが楽になった」といった変化が得られることも多くあります。

薬物治療と並行して、やさしく身体を整えるケアとして、訪問鍼灸をぜひご検討ください。