パーキンソン病は、中高年以降に発症しやすく、手足のふるえ(振戦)体のこわばり(筋固縮)、動作の遅れ(無動)などが主な症状として知られる神経変性疾患です。

進行性の病気ではありますが、近年では早期診断と適切な治療・リハビリ・生活支援によって、患者さんの生活の質(QOL)を維持・向上させることが可能になってきています。

この記事では、パーキンソン病について詳しく知りたい方に向けて、症状・原因・診断・治療・生活への影響・ケアの選択肢まで包括的に解説します。


パーキンソン病の主な症状

パーキンソン病は脳の「黒質」と呼ばれる部分にあるドパミン神経細胞が減少することで発症します。

以下の4大症状が代表的です。

1. 振戦(しんせん)

安静時に手や足が小刻みに震えるのが特徴です。片側から始まり、進行とともに両側に現れることもあります。

2. 筋固縮(きんこしゅく)

筋肉のこわばりにより、関節の動きが悪くなります。リラックスしていても身体が硬く感じられます。

3. 無動(むどう)・動作緩慢

歩き始めが遅い、動作が全体的に遅くなる、表情が乏しくなるなど、動き出すまでに時間がかかるのが特徴です。

4. 姿勢反射障害

バランスを崩しやすく、転倒のリスクが高くなります。歩行時のすくみ足(フリーズ現象)も含まれます。


その他の症状

  • 睡眠障害(レム睡眠行動障害など)
  • 自律神経症状(便秘・頻尿・起立性低血圧)
  • 嚥下障害(飲み込みづらさ)
  • うつ・不安・認知機能の低下

これらの症状は運動症状よりも生活に大きな影響を与えることがあり、総合的なケアが必要です。


パーキンソン病の原因

明確な原因は完全には解明されていませんが、主に以下の要因が関与していると考えられています。

  • 加齢(60歳以上の発症が多い)
  • 遺伝的要因(家族性も一部に存在)
  • 環境因子(農薬、重金属などとの関連が指摘)

ドパミンを作る神経細胞が減少することで、神経の命令伝達がうまくいかなくなり、運動機能に異常をきたします。


パーキンソン病の診断

診断は以下のような手順で行われます。

  • 医師による問診・視診(歩き方、震えの有無など)
  • MRIなど画像検査(他の疾患の除外)
  • ドパミントランスポーターシンチグラフィ(DATスキャン)
  • L-ドパ投与に対する反応評価

※確定診断は難しく、臨床症状の経過と治療への反応を総合して判断されることが多いです。


パーキンソン病の治療

治療は基本的に以下の3つの柱に分かれます。

1. 薬物療法

  • L-ドパ製剤:ドパミンを補う薬
  • ドパミンアゴニスト:ドパミン様の作用を持つ
  • MAO-B阻害薬、COMT阻害薬などの補助薬

効果は高いものの、長期使用で効果の変動や副作用(ジスキネジアなど)が出ることもあります。

2. リハビリテーション

  • 理学療法(歩行訓練、転倒予防)
  • 作業療法(日常動作の維持)
  • 言語療法(発声、嚥下)

3. 外科的治療(進行例に対して)

  • 脳深部刺激療法(DBS)などが適応されるケースもあります。

日常生活での注意点・支援

  • バリアフリー環境の整備(手すり、段差の解消)
  • 転倒対策(すくみ足への対応)
  • 睡眠や便秘への対策(生活リズム・食事)
  • 家族や介護者の理解と見守り

パーキンソン病は長期的に向き合う必要のある病気です。

医療だけでなく、福祉・介護・補完療法を含めた包括的な支援体制が大切です。


補完療法としての鍼灸・マッサージの可能性

  • 筋肉のこわばり、関節の動きの改善
  • 自律神経の調整(便通・睡眠・血圧)
  • 疲労回復・不安感の軽減
  • 介護者への負担軽減(移乗やケアが楽になる)

特に通院が難しい方には、訪問鍼灸や訪問マッサージが在宅療養の選択肢となります。


実際の症例紹介

症例1:70代男性(港区在住・中期パーキンソン病)

症状:歩行時のふらつき・こわばり・夜間の頻尿

治療:週2回の訪問鍼灸マッサージ。下肢の筋緊張緩和と自律神経の調整を中心に治療。

結果:転倒回数が減り、夜間トイレ動作の安定性が向上。「最近、足が出しやすくなった」と本人談。

症例2:80代女性(要介護3・在宅療養中)

症状:食欲低下・すくみ足・発語の少なさ

治療:週4回の訪問鍼灸マッサージ。自律神経の調整と全身の血流改善を目的とした治療。

結果:施術当日の表情が明るくなり、食事量が増加。「会話が増えてうれしい」とご家族の声あり。

  • 筋肉のこわばり、関節の動きの改善
  • 自律神経の調整(便通・睡眠・血圧)
  • 疲労回復・不安感の軽減
  • 介護者への負担軽減(移乗やケアが楽になる)

特に通院が難しい方には、訪問鍼灸や訪問マッサージが在宅療養の選択肢となります。


まとめ

パーキンソン病は、確かに進行性の病気ですが、 早期発見・正しい理解・多方面からのサポートによって、日常生活を安定させることができます。

治療薬やリハビリだけでなく、鍼灸や生活支援といった補完的なケアを上手に取り入れることが、本人と家族の負担を減らす鍵となります。

ご自身や大切な方の症状に気づいたら、まずは専門機関への相談と、信頼できる支援の手を選びましょう。


もし「自宅でのケアに限界を感じている」「リハビリ以外の方法も試したい」とお考えでしたら、 港区を中心に活動している訪問鍼灸十番堂にぜひご相談ください。

専門知識を持った国家資格者が、ご自宅で安全・丁寧な施術を提供いたします。

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