脊髄小脳変性症(SCD:Spinocerebellar Degeneration)は、運動の協調をつかさどる小脳とその関連経路が徐々に障害されることで、歩行や姿勢保持が困難になる進行性の神経難病です。
患者さんによって進行の速度や症状の出方は異なりますが、多くの場合、ふらつき、歩行障害、ろれつが回りにくい(構音障害)、筋緊張のアンバランスなどがみられます。
この記事では、脊髄小脳変性症による日常生活の困難と、それに対して訪問鍼灸マッサージでできるケアをご紹介します。
SCDによって現れる主な症状と生活上の困難
脊髄小脳変性症では、小脳の障害によって体のバランスが取りにくくなり、さまざまな運動障害が現れます。
よくある症状
- 歩行時のふらつき・転倒リスクの増加
- 姿勢を保つのが難しくなり、座位や立位が不安定に
- 筋緊張のアンバランスによるこわばりや痛み
- 発語障害・嚥下障害
- 疲労感や集中力の低下
これらは日常生活の中での「できたことができなくなる」経験につながり、精神的な不安や孤立感にも影響することがあります。
訪問鍼灸マッサージでできるサポート
① 姿勢保持・バランス機能の支援
- 背部や体幹まわりの筋緊張を整えることで、座位や立位保持をサポート
- お尻・腰・肩周囲のこわばりをマッサージで緩め、座り姿勢の安定化
② 筋肉の緊張緩和と痛みの軽減
- 筋緊張の左右差・過緊張に対して、鍼や指圧で調整
- 肩・腰・脚の張りを軽減し、体位変換や移乗の負担を減らす
③ 自律神経の調整と精神的安定
- 鍼灸刺激によって交感・副交感神経のバランスを整える
- 緊張・不安・倦怠感の軽減により、生活の前向きさを取り戻す
進行段階ごとのケアの工夫
初期〜中期(歩行障害が始まる段階)
- 定期的なマッサージで疲労や緊張を溜め込まないよう支援
- バランス維持のための姿勢筋へのアプローチ
中期〜後期(歩行困難、座位不安定)
- 寝たきりや車椅子中心の生活でも、拘縮予防・褥瘡予防のためのマッサージ
- 呼吸・嚥下への影響が出始める段階では、胸郭・頸部まわりの緩和ケアも実施
実際の症例
70代女性/要介護3・車椅子生活
- 上体の姿勢保持が難しく、右側に傾きやすい
- 週4回の訪問で、体幹右側の緊張緩和・精神をリラックスさる治療を継続
- 「呼吸が楽になる」「姿勢が起きてきた」とご家族から好評
訪問施術のメリット
- ご自宅でゆったりと施術を受けられる
- 進行状況に応じてペースや内容を調整可能
- 医師の同意書による保険適用が可能で、長期的な継続がしやすい
ご相談・お問い合わせはこちら
訪問鍼灸マッサージ 十番堂では、
- 脊髄小脳変性症をはじめとする神経難病の経験が豊富
- 港区・目黒区・品川区・渋谷区、新宿区などを中心に対応
- 医療・介護スタッフとの情報連携も丁寧に行います
▶ ご相談・お問い合わせはこちら:https://homon.jubando.jp/contact
まとめ|できることを、少しでも増やしていくサポートを
脊髄小脳変性症においては、「完全に治す」ことが難しい中でも、 今できることを保つ・少しでも快適に過ごすためのケアがとても大切です。
訪問鍼灸マッサージは、身体だけでなく心のつらさにも寄り添う手段のひとつ。 ご本人とご家族が、少しでも笑顔になれるようなサポートを心がけています。
まずはお気軽にお問い合わせください。