ALS(筋萎縮性側索硬化症)は、運動神経が徐々に障害されていく進行性の神経難病です。 意識や感覚は保たれたまま、筋力が低下していくため、患者さんご本人の精神的な負担も非常に大きく、 そのケアには医学的な治療だけでなく、生活全体に寄り添う視点が求められます。

この記事では、ALSの進行とともに表れる

  • 筋肉のこわばり(拘縮・筋緊張)
  • 呼吸が浅くなる・痰が切れにくい
  • 寝たきりによる体の痛み・不快感 といった悩みに対して、訪問鍼灸マッサージでできるサポートをご紹介します。

ALSの進行に伴う身体の変化と課題

ALSは進行の仕方に個人差があるものの、おおまかに「初期」「中期」「末期」の段階に分けて症状の変化が見られます。 それぞれのステージに応じて、訪問鍼灸マッサージでできるケアの内容も変化していきます。

初期(発症~軽度の筋力低下)

  • 手足の力が入りづらくなる、歩行がふらつく、書字やボタンかけがしづらくなる
  • この段階では、筋緊張の調整、疲労の緩和、姿勢保持のサポートが中心
  • 精神的な不安の軽減にも鍼灸マッサージが有効です

中期(歩行困難、構音障害・嚥下障害の出現)

  • 体幹や四肢の拘縮が進行、筋肉の張りや痛みが強くなる
  • 胸郭周辺の緊張緩和により呼吸のしやすさを支援
  • 嚥下や発声にかかわる筋肉の緊張をやわらげ、日常生活の負担を軽減

末期(寝たきり、人工呼吸器管理)

  • 自発的な体動が難しくなり、体位変換・排痰・姿勢管理が中心となる
  • 鍼灸マッサージは、褥瘡予防・痰の切れ・不快感の軽減を目的に行います
  • ご本人との非言語的コミュニケーションも大切にし、”触れる”ケアが心の支えとなることもあります

このように、ALSの進行段階に応じて「何を目指すか」「どんなケアが必要か」は変わってきます。 訪問鍼灸マッサージでは、ステージに合わせたオーダーメイドの施術を行っています。

ALSでは、手足の筋力低下から始まり、やがて全身の動き・発声・嚥下・呼吸までに影響が及びます。

よく見られる症状・困りごと

  • 寝返りが打てず、体が固まってくる
  • 肩や背中、腰が張って痛いと訴える
  • 筋肉の緊張で手足がつっぱる・痙縮が強い
  • 痰が切れにくい、息が浅い
  • コミュニケーションが難しくなっていく

こうした変化に対し、「何かしてあげたい」「少しでも楽にしてあげたい」という ご家族の思いと向き合う場面も少なくありません。


訪問鍼灸マッサージでできること

① 筋肉の緊張緩和と拘縮予防

  • 肩・首・背中などの張りや痛みをマッサージで緩める
  • 足や手の筋緊張を調整して、拘縮を予防
  • 定期的な刺激で「可動域を保つ」「体位変換をしやすくする」

② 呼吸補助・痰の出やすさのサポート

  • 胸まわり(肋間筋・横隔膜まわり)を刺激し、呼吸を深くしやすくする
  • 背部・胸部・肩甲骨周囲への施術で、痰の切れをサポート
  • 呼吸リズムの調整で、睡眠の質向上にもつながることも

③ 精神的な安定・安心感の提供

  • 身体にやさしく触れることで、リラックスや落ち着きをもたらす
  • 定期訪問により、ご家族とのコミュニケーションサポートにも

実際の症例(例)

60代男性/人工呼吸器管理中(港区)

  • 言葉でのやりとりは困難だが、表情やまばたきで「気持ちいい」反応あり
  • 鍼は使用せず、温灸と指圧中心の施術
  • 呼吸が浅くなった夜間の翌朝に施術すると、痰が出やすくなり安心感につながったとの家族の声

訪問施術のメリット

  • ご自宅で、身体状況に合わせたペースで施術
  • 看護・介護職と情報共有しながら進行に応じたケアが可能
  • 医師の同意書による保険適用で、経済的にも継続しやすい

ご相談・お問い合わせはこちら

ALSに限らず、進行性の神経難病と向き合う毎日には、 医療とは別の「日々の安心」を支えるケアが必要です。

訪問鍼灸マッサージ 十番堂では、

  • 港区・渋谷区・品川区・目黒区など都心部を中心に対応
  • 国家資格を持つ専門スタッフが対応
  • 在宅医療・訪問看護との併用も可能

▶ ご相談・お問い合わせはこちらから:https://homon.jubando.jp/contact


まとめ|動けなくなっても、「やさしいケア」はできる

ALSは難しい病気ですが、「動けなくなってもできること」は確実にあります。

無理に動かすのではなく、「心地よい刺激」で 身体も心も、少しでも楽になっていく。

そんなやさしいケアを、訪問鍼灸マッサージでご提供しています。

まずはお気軽にご相談ください。